保育理念
幼児教育の場として創始者 萩原幽香子
科学技術の進歩、経済の高度成長、マスメディアの発達などによって、ものは豊かになり、知識は向上したが、自然環境の破壊はいちじるしく、”国富みて山河滅ぶ”といった状態となり、人心はものの豊かさとはうらはらに貧しくなっている。自己中心的で、目的のためには手段を選ばず式の人間が多く、自然に対する感謝の気持ち、社会への奉仕の精神、他人に対すあたたかい思いやりなど、従来美徳とされていたことがだんだん影をひそめ、誠になげかわしい現状といえよう。こうした人的、物的環境の中で、明るい住みよい社会づくりの構成員としての人間を育てる教育は誠に至難な仕事ではあるが、研究を重ね、努力を続けて初期の目的を達成しなければならないと、決意している。教育とは、個々の子どものもつ可能性を認め、引き出し、能力を開花させることである。そのためには、まず子どもを充分知ることが何より大切であることは論を持たない。教育が信頼と愛情の上に成り立つと言われる理由もここにあり、人格と人格のふれあいによって教育の成果があがると考えられる所以もまたここにあるといえよう。まず、幼児期は性格形成の上から、知的発達の点から、また身体発育の上から、非常に重要な時期であることをすべての職員が確認し、実践することから始めたい。保育者は、保育の本旨に徹し、一人一人を見つめる保育を第一主義としたい。その意味において、私は、保育園においても3・4・5歳児は、幼稚園と同様の指導をするよう充分の考慮をしていきたいと考えている。
萩学園の教育・保育の目的激動、変革の世紀、21世紀を迎え、世界も日本も大きく動いている時代にあって、核家族の増加にともない家庭教育力の低下、学校崩壊が目立つ現在、今こそ幼児教育が重要視され、見直されるときであろうと思う。本園は、人間として基本的な社会生活をするうえでの生活習慣やルール、モラルをしっかり身につけさせ、日常生活の中で自分と異なった考え方を持っている友達もいることを理解させ、正義感や社会の公正さを重んじる心を培う。また、共に生きる力の基礎を恵まれた自然環境の中にある学園の地の利をいかして四季折々の自然の移り変わりの美しさを肌で感じ、感動する心を育み、自然を楽しむ教育・保育を行っている。「自立心・自己抑制力・責任感・自信・積極性・意欲・規範意識」といったような事は日常の教育・保育の中で、また、年間いろいろの行事を通して体験させ、子どもたちが本来持っている豊かな感性を引き出し、共に生きることの様々な大切さ、友達を思いやる心、人の役に立つことによって自分も喜べる心を培う教育・保育を創設以来掲げてきた。
望ましい幼児像として
次のスローガンを立てる
①明るい元気な子
②素直で親切な子
③よく考え工夫する子
④約束を守れる子
⑤辛抱強く、最後までやりぬく我慢強い子